[特集]座談会

県NPO活動支援センター「あいむ」が今年8月、開設から1年を迎えました。県内のさまざまなNPOにご利用いただく一方、より一層の機能の拡大も求められています。そこで、「あいむ」運営協議会副委員長の相川由美子さんと、NPO側の代表としていしかわ市民活動ネットワーキングセンター(i-ねっと)事務局長の青海康男さん、県内の育児サークルネットワークのアドバイザーを務める風っ子KIDS代表の橘 薫さんの3人に、「あいむ」設立により得られたメリットや同センターに今後期待する役割について語り合っていただきました。

◆ NPO法人自立を促すサポート体制の強化を

相川 県では、平成12年8月に「NPO活動の促進に関する基本指針」をまとめ、県NPO活動支援センター「あいむ」は、その具体的な施策の一つとして昨年8月4日にオープンしました。この1年で5,000人を超える方々に、会議や作業、情報の受発信、交流・ネットワークなどの場として利用していただいています。

  私たちの育児サークルも会議を開いたり、コピー機を借りたりなど、「あいむ」はよく使わせてもらっています。特に、作業コーナーは会報誌を作るとき、本当に便利ですね。県内の育児サークルには約1000人の会員がいるので、会報誌の部数も1000部くらい必要になり、印刷機はよく利用しています。

青海 このほかにも、紙折り機や会議コーナーなどがあり、事務スペースとしての機能は十分に備えていると思います。ただ、今あるNPO法人は、今後自立の道を探る段階に来ており、NPO中間支援団体である私たち「i-ねっと」にとっても重要な課題ですが、「あいむ」も自立を強力にサポートしていかなければ、発展を続けるNPOからの要望にそぐわなくなるおそれが出てくると思います。

  そうですね。例えば、県や市から助成金を受けるために、ある事業に応募しようとしても、その第一歩となる申請書類の書き方が分からないという団体も多いんですが、せっかく素晴らしいアイデアがあっても、それでは行政、NPOの双方にとってもったいない。「あいむ」がそういった点でもNPOにアドバイスできる存在になってくれれば心強いですね。

相川 申請書類で、選考委員の印象は大きく違います。特に、直接のプレゼンテーションの場が設けられない場合は、委託されるかどうかが書類一つで大きく左右されます。「あいむ」には、事業委託に関するお問い合わせや質問に対応できる相談員がいますので気軽に訪ねてください。

青海 資金に制限があり、活動の幅が限定されてしまっているNPOも数多くあります。明確な活動指針を立てるためにも、「あいむ」や「i-ねっと」のような、支援団体に資金や活動方法など、何でも相談してもらえればと思います。

◆ 交流をはぐくむ場をつくることが必要

  NPO法人が自立するには、十分な活動費があるのはもちろん、NPOを取り巻く環境や今後の動向など、より多くの情報を得るために団体同士の交流が不可欠だと思います。

相川 作業コーナーや会議コーナーが活用されている半面、交流コーナーの利用率はまだまだ低く、その点は「あいむ」が抱える課題の一つです。

青海 県内のNPO法人も67団体(平成14年9月現在)に増えましたが、私はこれらの団体はまだ点と点の状態で、つながってはいない・・・つまり交流は希薄だと感じています。

相川 「あいむ」では、NPO間の交流を活発化させるために、環境や福祉、医療などそれぞれの分野のNPOが集まってお互いの情報や意見を交換する日を設けようと考えています。また、多様なNPOが交流できるよう、分野を越えた交流会議も企画しています。

青海 NPO同士の集まりの場を、「あいむ」が設定するのは非常にいいことだと思いますね。ほかにも、支援センターの場所やハードを県や市が用意し、その運営をNPOに委託し、交流をはぐくむという方法もあります。いわゆる公設民営の支援センターです。静岡県や岡山市、鎌倉市などにその先例があり、スキルアップや人材育成などNPO法人がいろいろな講座を企画して、NPOの技能向上や交流促進を図っています。このように、行政と民間が手を組むことで、広域的なサービスが可能になります。そのほかにも、大阪にはコミュニティビジネスなどのインキュベーション(ふ卵)機能を持った支援センターがあります。センター内には起業家やNPOの卵が数多くおり、そこで人的交流やスキルの交換が深まっているそうです。

  先日、さまざまな分野のNPO法人が小学校の旧校舎を拠点として活動しているのを東京へ行って見学してきました。いろいろな人が出入りするので、自然と交流が生まれているそうです。県内でも法人が大きいとか小さいとかは関係なく、積極的に交流していくべきでしょうね。交流会議も、生きた情報を得るために定期的に続けていくことが大事だと思います。

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