リーダーズVOICE (5) 石川県内には数多くのNPOが活動しています。当コーナーでは、県内のNPOのリーダーをシリーズでインタビューし、運営上の特色や現状などについて紹介します。今回は、痴呆性老人を対象としたグループホームを運営する、NPO法人 老人介護マトリックスとまり木 理事長の高塚亮三さんにお話をうかがいました。
「より多くの人に、痴呆性高齢者を誤解せず受容してほしい」

NPO法人 老人介護マトリックスとまり木 理事長 高塚 亮三さん
写真/お菓子づくり

平成13年3月、ホームのメンバーたちと一緒にお菓子づくりに挑戦。

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落ち着ける環境では、
痴呆性高齢者の多くは問題を起こさない

──グループホームとはどういうものですか。
高塚
 痴呆性高齢者が、少人数で介護スタッフと共同生活を送ることにより、安心して生活できる環境を提供する場です。

──とまり木には現在、何人のお年寄りがいらっしゃるのですか。
高塚
 男2人、女4人の計6人です。平均年齢は83歳。介護スタッフは私を含め6人で、常勤はうち3人です。

──グループホームを始められたきっかけは。ご自宅を転用されているそうですね。
高塚
 母が18年程前から痴呆状態が顕著になり、その介護がきっかけです。一般の人たちにも痴呆性高齢者を理解し、受容してもらいたい。そうすれば、在宅での介護が難しくなっても、住み慣れた地域で生活が続けられ、すぐさま施設介護に移行しなくてもよいとの思いから、平成11年10月にまずNPOの認証を取得し、翌年の2月に自宅の一部を改造してグループホームを始めました。

──痴呆のお年寄りの介護は大変、というイメージがありますが。
高塚
 多くの人は、実際に痴呆の高齢者と接する機会がないので、極端な例をイメージして、痴呆の介護は大変と決めつけています。実際は、そうした人はごく一握りで、多くの痴呆性高齢者は落ち着ける環境にいれば、ほとんど問題のない人たちなのです。

──日課の中で、リハビリとか体操などのプログラムを特別もうけていないそうですね。
高塚
生活そのものがリハビリという考え方です。持っている能力を最大限に発揮できるよう日常生活を営む中で手を掛けすぎずに、促し、見守ることが自立した生活を維持する上で大切だと思います。
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前例のない道を歩むゆえ、
情報公開と説明責任が大切

──地域の人たちに「とまり木のお年寄り」が受け入れられているようですね。
高塚
世の中が便利になった分だけ気忙しくなって、却って人は人間を人間として見るゆとりをなくしています。痴呆になっても落ち着いていれば問題のない人たちですから、毛嫌いしないで理解し、受容してほしいと思います。幸いとまり木のお年寄りが天気の良い日、近所を散歩すると、声を掛けていただいたり、花をもらったりします。自家製の野菜をいただくこともあります。「とまり木のお年寄り」に思いを寄せていただけることが何よりもありがたいと思います。

──NPO法人として抱える課題は。
高塚
NPOが運営するグループホームは、ボランティアで支えられている部分があります。そして、このボランティアで生まれた余剰金は法人の所得として課税の対象となります。グループホームで質の高いサービスを提供すれば、決して余裕のある経営はできないことは明らかです。公平な課税のあり方をもっと議論してほしいと思っております。私は痴呆の母親から痴呆性高齢者を人間として見ることの大切さを学びました。情報公開と説明責任がこの大切さを一般の人に理解してもらうために必要なことだと思っております。
 
高塚亮三さんの写真
■高塚 亮三さん
(たかつか りょうぞう)
根上町福島町在住。痴呆を患う母親の介護をきっかけに、グループホームによる地域での痴呆性老人の受容を目的として平成11年10月、NPO法人老人介護マトリックスとまり木を設立。12年2月から運営をスタートした。現在、根上町福祉を考える会運営委員長なども務める。

【お問い合わせ】
NPO法人老人介護マトリックスとまり木
根上町福島町ツ34の1
TEL 0761(55)0756



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