[特集]座談会 NPOと県の第1回「協働」モデル事業が終了。自治体の手が行き届かない部分をNPOが補う連携が大事。
平成14年度、NPOが県の委託を受けて行う「NPO協働推進モデル事業」が、福祉、環境、教育、男女共同参画の4分野5件で実施され、15年3月に終了しました。
そこで、「起業ネットかなざわ」代表の山内 司さんを司会に招き、モデル事業で コミュニティーレストラン(以下、コミレス)を開設し運営した「はづちを」事務局代表の吉田栄治さんと、DV(ドメスティック・バイオレンス)劇を講演した「石川女のスペース」代表の深川明子さんに、事業の成果や今後の課題・展開などを話し合っていただきました。
[写真]座談会の様子
於:県NPO活動支援センター「あいむ」

■ 吉田 団体の本来の目的をアピール
深川 協働によって一層の成果を

山内 県とNPOの第1回目となる協働モデル事業が終わりました。皆さんは、今回のモデル事業で初めて、行政機関との「協働」を体験されたのですか。

吉田 はい、行政との協働はこれまで体験していませんでした。ただ、私たち「はづちを」は、平成13年度と14年度の2年間にわたって、加賀市からの委託事業を進めてきました。13年度は「市街地での出前文化芸能事業」、14年度は「加賀市高齢者生きがい交流プラザの運営管理」です。現在、「はづちを」を構成する各個人が行ってきた地域での活動が認められて、施設の委託対象団体として組織してほしいと市から希望されたことは大きな成果です。また、私自身、以前は行政の仕組みを何も知りませんでしたが、委託事業を進める中で市の仕組みを垣間見ることができたのも一つの収穫です。今回の県のモデル事業についても、加賀市との協力関係と実績をベースにしており、計画書の中で目的に応じた協力を請う加賀市の担当課などを明確にすることができました。

山内 確かに「はづちを」さんの事業計画を拝見しますと、加賀市の担当課名が明記されており、感心させられます。実は私のところの「起業ネットかなざわ」もこのモデル事業に昨年応募するため、計画書を作成したのですが、苦労するばかりでした。計画を立案するにあたり、協力してもらう行政の担当課などを具体的に特定できれば、計画も立てやすいとの手本になりますね。「石川おんなのスペース」さんは、どうでしょうか。

深川 平成12年に「金沢市公募型まちづくりフォーラム」に応募して、「パートナーからの暴力の追放」のテーマで金沢市と共同主催の事業を行ったことがあります。県とは平素から情報の交換などを行っていますが、本格的な協働は今回が初めてです。昨年、このモデル事業参加のNPOが公募されていることを知り、行政との協働事業を行うことによってDVについての認識を多くの人に深めてもらうために応募しました。

山内 私もNPO活動を進めている中で、資金面や住民に対する啓蒙や広報など、NPO単独では何をするにしても限界があると感じることがあります。「はづちを」さんが協働に取り組むのもそのあたりが理由でしょうか。

吉田 そうですね。私たちは、加賀市の委託を受けて、廃業した温泉旅館跡地に同市が建てた「高齢者生きがい交流プラザ・はづちを楽堂」の運営管理を行っています。その中で、お年寄りの各種サークル教室を開いたり、観光客のための喫茶・情報コーナーを設けるなどのまちづくりのための活動を展開しています。しかし、地域住民からは“公共施設を管理する市の雇われ団体”と見られており、施設の運営方法や料金などで利用されるお年寄りから小言をいただくことも少なからずあります。そこで、地域貢献型の事業を通して、広く「はづちを」やNPOについて知ってもらいたいとの思いで、行政などとの協力関係を協働という形で望んだ部分が強いですね。

深川 「はづちを」さんの言うとおり、住民にNPO活動の主旨や全体像を知ってもらうことは大切ですね。「石川おんなのスペース」の講演会やシンポジウムによる啓蒙は活動の一部であって、すべてではありません。DV被害者の相談を受けるホットラインや、加害者から被害者を守る体制も整えており、そうしたものの活用を私たちは訴えています。

山内 お二人とも市民に団体のことをもっとよく知ってもらいたい、との思いが強いようですね。では、今回のモデル事業の内容と成果をお聞かせください。

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