INTERVIEW NPOリーダーズボイス【第1回】 石川県内には数多くのNPOが活動し、その活動趣旨や運営方法は実にさまざまです。当コーナーでは、県内のNPOのリーダーをシリーズでインタビューし、運営上の特色や現状などについて紹介します。第1回目は、バングラデシュ、ネパールの農民や子どもたちの生活向上支援に取り組むNGO、シャプラニール金沢連絡会の鹿野茂利江さんにお話をうかがいました。
「定例会を開き、自分たちに何ができるか考えていくことが課題です」
シャプラニール金沢連絡会 鹿野 茂利江さん
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シャプラニール全国キャラバンの受入れ。
バングラデシュの料理教室を開く。
■ 手工芸品の販売益を支援や運営の資金に
──シャプラニールは、どういう活動をされている組織なんですか。
鹿野 「市民による海外協力」をモットーに、主にバングラデシュ、ネパールの貧しい農民や子どもを支援しているNGO、民間団体です。
──どのくらいの規模の組織なんですか。
鹿野 全国に約3100人の会員がいます。東京の本部のほか、バングラデシュにダッカ事務所、ネパールにカトマンズ事務所、国内29カ所に地域連絡会を持っています。1年間に約 100カ所で交流や講演の集いを催すほか、バザーなどを 900回近く開き、そこでバングラデシュやネパールから輸入した伝統的な技法を生かした手工芸品や衣料の販売をしています。地方で開かれる国際交流イベントにもよく参加して出店しています。
──販売される手工芸品は、両国の女性たちが作ったものですね。
鹿野 そうです。収益は生産者である彼女たちに還元される一方、子供たちの就学や教育環境の整備などにも使われています。シャプラニールの地域活動の柱は、この手工芸品の販売にありますね。
■ 金沢連絡会独自の会費は徴収せず
──金沢連絡会にはどのくらいのメンバーがいらっしゃるんですか。
鹿野 現在34人です。金沢市をはじめ、加賀市、松任市、羽咋市、石川郡、河北郡、鹿島郡などに会員がいます。
──活動内容は。
鹿野 県内で催される国際交流イベントなどで、いま説明した手工芸品などの販売を行っています。また、シャプラニールでは、バングラデシュやネパールの実情をPRする全国キャラバンも行っています。金沢は早くからキャラバンの受入れをしており、私が連絡会を担当してからは、96年、98年、99年とキャラバンを受け入れることができました。全国キャラバンではバングラデシュやネパールからの現地スタッフによる、母国の窮状を訴える講演会があり、そこで会の趣旨を理解してもらうほか、実際に現地に行ってもらうスタディツアーも実施しています。
──会費はとっていないんですか。
鹿野 金沢連絡会としてはとっていません。個々人で本部に対し年会費を納めています。
──金額は。
鹿野 シャプラニールの個人正会員は年1万2000円、賛助会員は年6000円、法人会員は年3万円となっています。イベントなどには参加できませんが、会費や各種の募金に協力する支援者もいます。
──そうすると、金沢連絡会の運営費はどこから捻出しているんですか。
鹿野 手工芸品の販売収益の2割を連絡会の運営費に当てています。シャプラニールの手工芸品はどなたでも取り寄せることができますので、学校や地域での国際理解の一助にぜひご利用ください。
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年開かれる金沢市のアジア交流まつりに出店。
バングラデシュ、ネパールの手工芸品やベンガル料理を販売。
■ 定例会を開き、勉強や議論、相談の場に
──今、抱えている課題は。
鹿野 バングラデシュやネパールに行ったことのない会員にとって、自分たちの今やっていることが、現地の人たちにどう役立っているのか実感が持てない点ですね。それともう一つ、これからの時代を担う若い人たちに海外協力支援がなぜ必要かを伝え、行動に移してもらうことです。
──金沢連絡会固有の目標は何かありますか。
鹿野 01年から、定例会を開いていけたらなと思っています。今まではイベントのある時にだけ集まるような感じで、メンバーの多くが顔をそろえて議論したり相談しあったりする機会はほとんどありませんでした。日本にいながら、間接的にではありますが、会員それぞれが貧しい国の人々と接点を持つことで、いろんな思いや気付くことがあったと思います。バングラデシュのショミティー(※)のように、皆で集まってそうしたものを発言し聞きあい、一方で自分の足元を見つめ直して、連絡会の活動を向上していけたらと考えています。
──バングラデシュやネパールについての、いい勉強の場にもなりますね。
鹿野 ええ。そして、他のNGOとも協力しあい、身近な問題にも対応していきたいですね。
──ありがとうございました。

(※)ショミティー
バングラデシュで見られる、貧しい農民20人ほどでつくる相互扶助のグループのこと。定期的に会合を持ち、生活上の問題について話し合ったり、助け合ったりしている。
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写真 ■鹿野 茂利江 (かの もりえ)
88年からシャプラニール会員。94年にシャプラニール金沢連絡会が設けられ、鹿野さんが96年から連絡会の窓口を務める。夫の仕事の関係で、86年バングラデシュに短期ステイする。70年趣味の登山でネパールに。73年〜74年ネパールの山村にその後数度滞在。両国の女性や子どもの生活向上に関心を持ち続けている。

【お問い合わせ】
シャプラニール金沢連絡会 TEL076(242)1272

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