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[巻頭特集] NPOの自立と支援を考える |
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県では去る8月、NPO活動の促進を図るため、その支援の方向性やNPO・企業・行政との協働(パートナーシップ)のあり方を考えた基本指針をまとめました。NPOが自立した活動を展開していく上で、県側にどのような期待ができるのか、いしかわ市民活動ネットワーキングセンター(iネット)の理事・事務局長の西川雄蔵さんと、育児サークルネットワークアドバイザーで風っ子KIDS代表の橘薫さんが、県NPO推進室の森久規室長に聞きました。
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西川 先般、学識経験者やNPO関係者による「石川県NPO活動促進検討会議」からの提言を基に、NPO活動の促進に関する基本指針を県ではまとめられましたね。 森 少子・高齢化、環境など、さまざま問題が私たちを取り巻き、公共サービスに対する社会的なニーズも多様化しています。行政だけの力では対応できない分野もあり、そうしたニーズにこたえられるNPOの役割は、今後ますます重要になってくるだろうと考えられます。そこで、県がNPOに対しどのような支援ができるかをまとめたのが、今度の指針です。 橘 NPO側の要望も反映されているようですね。 森 NPOの特性は、行政の公共サービスより個別的な対応ができ、素早い先駆的な取り組みもできる点にあります。NPOの活動が活発になれば行政にとってもメリットが大きいわけで、県内のNPOの現状に則した支援ができるよう、平成11年度に実態調査も実施し、指針の参考にしています。 橘 県側の支援に対する基本的な考え方を教えてください。 森 NPOの活動に行政からの押しつけがあってはいけませんので、県がもし支援するのであれば、自立的な活動を続けていただけるよう、側面的にサポートすることを念頭に置いています。また、誕生して間もないNPOがあれば、ある程度成長してきて、これからどんどん活動のフィールドを広げていこうとする発達段階のNPOもあるかと思います。それぞれの成長度合に応じた柔軟な支援ができればと考えています。 |
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橘 一律な支援ではなく、個別のNPOの状況によって、支援の質も強弱も変わってくるんですね。 森 NPOは本来、自主的な活動であるべきものですから、無限の支援とはなりません。自立したら、支援は必要でなくなるわけで、県からの支援は、有限・有期的なものであるとご理解ください。 橘 NPO自らの創意工夫や努力による成長を促す、呼び水のようなものだと思った方がいいようですね。 森 そうです。支援というと、どうしても「してあげる」「してもらう」というイメージがあるわけですけれども、行政とNPOとが協働関係、すなわちパートナーシップを結び、そして保ちながら、成長していくというスタンスが必要だと思います。 西川 将来的には、行政とNPOがフィフティ・フィフティの対等な関係で事業を進めていけたらというのが理想ですね。 森 逆に、西川さん、橘さんが県に期待される支援は、どういったものでしょう。 西川 やはり、事業委託ですね。県内のNPOは私たちのiネットも含めてですが,まだこれからという状況です。行政から事業委託を受けることで、色々なノウハウを得ることができますし、ある意味では、活動資金を得ることにもつながります。行政と対等なパートナーシップを築くうえでもNPOへの事業委託は大変重要なことだと思います。それと、NPOが活動するための場所がないこと、人材の不足・育成も問題の一つとなっています。これらのことを根本的に解決するために、県のNPO支援センターの設置を一日でも早くと、みんな待ち望んでいます。 |
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森 橘さんはどうですか。 橘 いままでは、助成ひとつとっても行政の側に“平等に”という意識が働いていたと思うんです。けれども、組織やグループの要となるところをピンポイントでバックアップするだけで、全体にその効果が行き渡ることを、育児サークルへのアドバイスをしていて私自身感じていまして、目に見えない要の部分に積極的に資金や人の力を投じるような支援をしてもいいのではないかと思います。 西川 もう一つ付け加えさせていただければ、私たちiネットは民間のサポートセンターなんですが、行政とのすみ分けを明確にできたらと思っています。私たちが、行政と同じような活動してても余りメリットがないわけで、お互いが手をつないで活動していける基盤を作り上げなければならないと思っています。 森 民間の支援センターとのすみ分けの話については、今回の指針の骨格を固める検討会議でも出ていまして、支援の拠点となる場所を構えて、国際交流、福祉、環境といった分野の違う組織を横断的にコーディネートしたり、加賀、能登、金沢の距離の壁を超えて全県をネットできるのは、やはり県の支援センターだろうと意見をいただいています。 橘 わたしは、行政とNPOの間で具体的な公共サービス業務のすみ分けもあってもいいと思います。多胎児のサークルを運営していると、自分たちがしていることと保健婦さんがやっていることが重なる面がありまして、例えば双子、三つ子のいる家庭への訪問を、NPOに委託するようなことも考えられればいいですね。委託する側の自治体が県内にどういうNPOがあるのか把握していれば、そういう委託も可能だと思います。 |
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森 福祉、環境といったもののほかに、農業だとか商工だとか、あらゆる分野で委託を進められるようにならないといけないでしょう。しかし、県、市町村から事業や公共サービスを委託しようとしても、それが委託になじむかどうか、また、NPOが委託業務をこなしていけるかどうかという問題があり、委託は現実的には「できるところから」という感じにならざるをえません。 橘 それと、支援側というか公共サービスに携わる行政全般の人に、NPOに関する研修もお願いしたいですね。どうしてかと言いますと、例えば公共施設の部屋を借りるときに手続きをしますね。その度に、いやな思いをしたりすることが少なくありません。施設を管理する人に無理解があったりすると、せっかくの施設をNPO側が敬遠して使わないということもありえるわけで、そうしたもったいないことにならないよう、行政や公共サービス機関の職員の方へのNPOやボランティアに関する教育も必要だと感じます。 森 県、市町村の自治体職員はもちろんのこと、県民全体への啓発やNPOの周知ということは、これからも力を入れていかねばと考えております。 西川 確かに、NPO活動をされていない人に、NPOは必要なんだよと訴え、理解してもらう必要はありますね。今はまだ、石川県内で25団体しか法人の認証を受けたNPOはありませんが、十年後、二十年後、地域にNPOがあふれかえっているような社会を作っていかなければならないと、iネットの母体であるJC(金沢青年会議所)では考えています。半面、各家庭では「NPOって何?」という会話がまだあるのも現実で、NPOに携わっていない人は、全然見向きもしないところがあります。こういう現状をまず、何か手を打って打開しなきゃいけないと思っています。 |
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橘 NPOは、活動に参加する人にとって、社会に貢献できる生きがいの場でもあるんですけどね。私たちのような子育て支援のグループに参加するお母さんたちというのは、最初から社会的貢献を考えているわけではないのですが、活動を続けていく中で、だれかの役に立っているという実感を持てるようになって、社会に積極的に関わっていこうとする意識が芽生えてきます。 西川 女性が仕事と家庭を両立することはとても難しく、現実は「仕事か家庭か」の二者択一をせざるを得ない面がありますよね。 橘 ええ。ですからNPO活動が活発になることは自然な形で社会への男女共同参画を促すことにもなると思っています。 森 他の県のNPO支援センターの利用者状況を見ると結構女性が多く、お子さんを学校に送り出した後、日中の空いた時間を見つけてNPO活動に取り組む人が少なくないようですね。 |
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西川 予算が確定する前で恐縮なんですが、13年度に県が予定されている事業で、ニュースになるようなNPO関連の施策は何かありますか。 森 お二人からお話いただいた課題の中で、活動の場の確保ということがありましたが、13年度夏頃までにNPO支援センターの設置が実現できればと思っております。人材の育成という点では、マネジメント講座を開催したいと思っています。また、県民へのNPOに対する啓発事業はずっと継続的にやっていかなければならないと思っています。 橘 NPO支援センターをいつ、どこの場所に設置するかというのもそうなんですが、運営をどうするかということも、まだ、決まっていないんですよね。 森 はい。先ほど、橘さんが触れられていたように、行政が設置する支援センターでは、平等・公平ということを常に頭に入れなければならない。すると、臨機応変に、ここに集中的にという対応ができるかどうか分からない。そこで、県は支援センターを設けて場は提供しますが、運営にあたってはNPO等の皆さんに参加をいただいて運営協議会のようなものを設けてはどうかとの意見もあります。これは、皆さんの意見やお知恵を拝借しながらの今後の検討事項です。 橘 12年度の事業なのかな? NPOニュースもいよいよ発行されますね(笑)。 森 各NPOから寄せられた情報を掲載するスペースもあります。情報発信にぜひご活用ください。 |