いしかわNPOフォーラム 緊急報告会
「いま国会で何が議論されているか」
 多くのNPO法人が活動を続けていく上で、頭痛のタネとなっているのは、おそらくお金の問題…とりわけ税に関することだと考えられます。現在の税制では、NPO法人が取り組む収益事業は、一般の民間企業と変わらぬ法人税の課税対象となっており、社会福祉法人などの公益法人とは税率の面で較差があるのが現状です。活動資金の重要な一つである寄附金も所得税などの課税対象となっています。NPO支援施策にくわしいシーズ[市民活動を支える制度をつくる会]の事務局長、松原明さんに、税制改正に向けた国会の動向などについて報告していただきました。
講演:シーズ[市民活動を支える制度をつくる会]
   事務局長 松原 明
日時:平成12年11月12日(日)
会場:地場産業振興センター
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 ■ 2001年11月までにNPO法を改正
 98年12月にNPO法(特定非営利活動促進法)が施行されてからちょうど2年になりますが、欧米と異なり、わが国では法人格の付与が先行し、税制支援策がまだ確立されていません。98年3月にNPO法が国会で成立した際、附則および附帯決議で、「税制を含むNPO法の改正は2000年11月までに検討をし、その検討の結果に基づいて2001年11月までに措置を講じる」としています。
 これは、税制面の支援については、3年以内に何らかの措置をとりましょうということです。
 この期限まで残されている時間は約1年で、平成13年1月から6月の通常国会で、改正が審議されることになるでしょう。
 目下、論議の主題となっているのはNPO支援税制についてですので、次に税制改正のポイントについて説明しましょう。
 ■ 透明性のある認定の基準や手続きを
 まず第一に「従来の公益法人の税制優遇措置とどれだけ違う新しい仕組みが作れるか」が問題となっています。
 寄附が課税逃れに使われるのを防ぐため、国税庁では「公益性が高い」と判断したNPO法人についてのみ適格団体と認定し、優遇税制法人にする方針でいます。しかし、現在の公益法人の税制優遇措置では、その「公益性」の認定は行政の恣意的な判断に委ねられていますが、不透明な基準や手続きで認定が行われているといってもいいでしょう。
 今後、市民が自発的にさまざまな社会活動を行っていくとき、行政とは違う価値観やサービス提供の手法を用いていく必要があります。その点で従来と同じような税制支援の認定の仕組みでは、例え制度をつくっても、NPOがかえって活動しにくくなるということになりかねません。
 行政が公益性を認定するのではなく、客観的で透明性のある基準や手続きがどうしても不可欠なのです。
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 ■ 法人税の減免も重要課題の一つ
 第二のポイントは、「税制支援の目的が、NPOを育てていくこととなっているかどうか」です。
 行政側の検討の中で、「高い公益性があれば税制優遇措置の資格を与える」という言い方をしていますが、日本ではまだまだNPOの活動は弱く、高い公益性を担保する厳しい基準を要求されても、多くの団体が実際には基準に該当しないことが多分に予想されます。
 市民サイドからは、NPOを育てるという考え方や視点を行政側に持ってもらうことを強く訴えていくことが重要になってきます。
 第三のポイントは、「寄附に対する税の減免だけでなく、NPO法人への事業課税に対する税の軽減も実現させていくべきである」ということです。
 NPOにとって、収益力を上げて社会貢献のための資金を確保していくことは、不可欠です。NPOが自立して社会活動を展開していくためには、事業活動の重要性は増す一方です。税制での支援は、そのような事業活動を促進するとともに、社会にNPOの事業活動の必要性を理解してもらう一助ともなります。
 そのほかにも、地方税や相続税などの減免も訴えていく必要があるでしょう。
 ■ 理想実現の絶好の機会を生かそう
 超党派のNPO議員連盟(会長・加藤紘一)で今、支援税制の議員立法化やNPO法人制度の改革などについて、活発な議論が交わされています。
 政府の方では、経済企画庁と大蔵省との間で協議を続けています。
 8月の臨時国会の予算委員会で、宮沢大蔵大臣が「NPO法人への寄附金減免について、来年度から実現に入ろうと検討している」という趣旨の発言を行ったことから、まず、寄附金に対する税の減免に関しては 実現の可能性が高いと期待されています。
 法人税の減免については、加藤紘一NPO議員連盟会長が、「財政当局の厳しい抵抗が予想される」と指摘し、楽観できる状況ではありません。政府における本格的な検討はこれから始まるというのが実情です。
 しかし、今回の税制改正・法改正はNPOの望む環境をつくるには絶好の機会でもあります。これからNPO側に求められることは、ただ国会の行方を見守るのではなく、支援税制創設のために積極的に現場の声を上げ、理想とする税制の実現に向けた努力を全国レベルで続けていくことです。

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